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2011年5月24日火曜日

「ヤゴ救出作戦」を中止した方が良いと思う根拠

(随時加筆)

被爆線量に安全なしきい値はありません。
福島第一原発事故以来、放射性物質の飛散は日本はもとより北半球に及んでいます。
当然ですが、東京も例外ではありません。

子供は放射線の感受性が強く、大人に比べて健康被害のリスクが跳ね上がります。
福島第一からの放射性物質の漏出は現在も続いており、未だ収束の目処が立たない状態です。
それ故、今後も長期にわたる低線量被曝がつづきますので、できるだけ被曝を避ける必要があります。
プールの水は昨秋から入れ替えていませんので、福島第一原発の事故発生以来、飛来した放射性物質は溜まり続けている状態です。
その水に入る事は、外部被曝はもとより傷口や口から入った飛沫などで、高い確率での内部被曝の恐れがあります。
学校が安全と判断している根拠があまりにもいい加減。その件はこちら
本来、ヤゴを保護し育てる授業は素晴らしい教育だと思いますが、被曝の危険を冒して迄今行う必要は無いと思うのです。

■武田邦彦教授の提言 
【プール】 「例年通り」運動会はする、「例年通り」プールの掃除は児童がする。 確かに「例年通り」に見えるけれど、大きく違うところがある。 それは、去年までは校庭もプールの水も放射性物質で汚染されていなかったということだ。そして子供達にとっては放射性物質は「毒」である。 なぜ、毒があるところに子供達を連れて行くのか?「毒が見えないから」と学校は言うけれど、それは大人の発言ではない. 校庭で砂埃になって腕立て伏せをする. 生徒の口は放射性物質を多く含む校庭の土に接するばかりだ。こんな光景を見て心が痛まない先生はすぐおやめになった方が良い。おそらく先生としては性質が向いていない.

※武田邦彦(中部大学教授)
内閣府原子力委員会、内閣府原子力安全委員会、文部科学省中央教育審議会、文部科学省科学技術・学術審議会 などの専門委員を歴任

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以下、上の文章の論拠を引用します。

■被爆線量に安全なしきい値はありません。
※しきい値(しきいち)、閾値(いきち)は、境目となる値のことです。
原発事故及び原発周辺での低線量被ばくによる人体への影響まとめ 
(2005.6.29)米国科学アカデミー「電離放射線による生物学的影響」調査委員会、BEIR-VII 『ある線量以下であれば安全というしきい値はない』 『広島・長崎の被爆者生涯追跡調査では以前から「ある線量以下であれば安全というしきい値は見つからず、発がんのリスクは線量に比例して直線的に増加する」(これを「しきい値なしの直線モデル」という)と報告されていました。』 『調査委員会は、低線量放射線でもDNA等に損傷を与え、最終的にはがんを引き起こす原因になりうるという基礎的データの積み重ねなどを考慮し、「しきい値なしの直線モデル」が最も妥当としています。』 『ネズミその他の動物を使った実験では、放射線によって起きた精子や卵子の突然変異が子孫に伝わるという膨大な量のデータが蓄積されています。』 『通常のX線検査よりも高線量の被ばく(約10mSv)を被ることになり、もし1000 人がCT検査を受けるとその中の1人ががんになる計算になります。』

■福島第一原発事故以来、放射性物質の飛散は日本はもとより北半球全域に及んでいます。
Potential dispersion of the radioactive cloud over The Northern Hemisphere 

■当然ですが、東京も例外ではありません。
Wetterlage und Ausbreitungsbedingungen in Japan

■子供は放射線の感受性が強く、大人に比べて健康被害のリスクが跳ね上がります。
年齢が低いほど放射線に対する感受性が高い
子供の放射線感受性 

■福島第一からの放射性物質の漏出は現在も続いており、未だ収束の目処が立たない状態です。
【原発収束工程表】相次ぐ「誤算」 実現性消えぬ疑問符 (1/2ページ)

■それ故、今後も長期にわたる低線量被曝がつづきますので、できるだけ被曝を避ける必要があります。
低線量被曝の危険度
チェルノブイリから9000日後 低線量被曝が遺伝子に与える影響 

■プールの水は昨秋から入れ替えていませんので、福島第一原発の事故発生以来、飛来した放射性物質は溜まり続けている状態です。
都内の環境放射線測定結果グラフ (上から3つ目のグラフ)
実はこんなに高い あなたの町の「本当」の放射線量 公式発表は「低く出る」よう細工をしていた

■その水に入る事は、外部被曝はもとより傷口や口から入った飛沫などで、高い確率での内部被曝の恐れがあります。
内部被曝と外部被曝、放射線と放射性物質等の違いをまとめました

■学校が安全と判断している根拠があまりにもいい加減。その件はこちら

本来、ヤゴを保護し育てる授業は素晴らしい教育だと思いますが、被曝の危険を冒して迄今行う必要は無いと思うのです。



それぞれの説には異論もあるようです。なぜか原発に反対する学者と原発を推進する学者 の研究結果は矛盾することが多くあります。ですが、どちらか判らないならより安全な指針に沿って子供を見守るのが大人の務めだと考えます。

2 件のコメント:

  1. 私の手ごたえでは、教育現場に「ヤゴ救出作戦を中止した方が良いと思う根拠」をいくら並べても、原子力が子供に与える影響に対する考え方の立ち位置が違うので、説得は無理だと思います。
    公務員は、職務上、原発推進の考えに付いて行くしかない状況ですから。やめる判断だって、責任が生じると思っているので、自ら言い出す公務員はいませんね、おそらく。文科省の日本の子供に対する考え方の過ちを認めさせない限り、現場の教師は子供たちを汚染プールに入れることの過ちに気付けないと思います。ですから、即対応したいなら、ヤゴ救出作戦当日、自分の子供を登校させない、プールに入れないなどの対処策で乗り切る。これなら、内心ホッとする先生もいるかも知れませんね。あとは、福島の子供たちに適用している年間放射線量上限20ミリシーベルトの基準を変えさせるよう、子供を持つ全国の母親や父親が行動するしかないんじゃないでしょうか?子供たちが、10年後、一番成長する時期にがん細胞との苦しい戦いを強いられることがないように。

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  2. 追伸。教職員にも子供を持つ母親や父親がたくさんいると思います。その方々が自分の子供を、安全性が保障されていないプールに入れると思いますか?先日、京都大学原子炉実験所の小出先生が国会で証言された現段階で、自分の子供をプールに入れるとすれば、それは知識がないということだと思います。おそらく、今後、真実がどんどん明らかになって来た時、知らないで、自分の受け持ちの子供たちをプールに入れたことを後悔するでしょう。そういう不幸を避けるためにも、保護者自ら対処を決めて頂きたいと思います。

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